動けない朝と竹ザルのおにぎり

団地と祖母との暮らし

私は朝起きて、今日はダメだってなる日があります。
それはほとんど月~金曜日で、
きっと仕事に行くのがいやなのだと思います。

でもたまに、休日の朝に
ダメだってなる日がきます。
目は覚めているのに、布団から出たくない、出れない。
布団の中でスマホをぼんやり眺めて、時間だけが過ぎていく。

スマホ触って、いつの間にか寝ていて、またスマホ触って、
気づけばお昼が近くなっていることもあります。

朝から何も食べてないのに、お腹も空いている気がするのに、
食べる気力も、あまりありません。

祖母は私にはこんな日があることを、知ってくれているから、
何も言ってきません。

トイレに行こうと部屋から出たとき、

「せなちゃん、おにぎり握ったから、一口でもいいから食べてみる?」

祖母が声をかけてくれました。

テーブルの上にあったのは、
四角い竹ザルと、その上に乗った三角のおにぎりでした。

白いご飯と落ち着いた色の竹ザル。

それを見ていたら、不思議と「一口なら食べられるかも」と思えました。

実際に食べてみると、おにぎりが、ふっくらしていて美味しい。

いつ作ってくれたのかわからないけど、
私が今まで食べたおにぎりと少し違っている気がして、
どこを食べても、やわらかくて、
少し空気を含んでいる感じが少し不思議で、
いつの間にか1個食べ終わっていました。

これはあとから知ったのですが、竹ザルは通気性がいいから、
ごはんの余分な湿気を逃がしてくれるそうです。

食べ終わったあと、私はいつものように洗い物をしました。

「それ水洗いでいいからね。」

祖母が言うまま、竹ザルを水洗いだけして、
洗い物のカゴに置きました。

時間が少し経っても、美味しく食べられるように、
洗い物をするときに、軽いように、水洗いだけで済むように、

祖母はどこまで先回りして、私に優しくしてくれているのだろう。

祖母と暮らし始めて、
家では作り立ての食事をしているから、
おにぎりを家で食べるのは久しぶりでした。

四角い竹ザルに乗った、三角のおにぎりは、
見た目が落ち着くし、祖母の優しさがたくさんあって、
とても印象に残りました。

この竹ザル、祖母に聞いても、
いつ買ったか思い出せないそうです。

祖母は日本のものをたいせつにするから、
きっとちゃんとしたお店で買って、
長く使っているのだと思います。

「ごちそうさまでした。」

少し遅くなったけど、感謝の気持ちを伝えて、
私は部屋に戻って、お布団を片付けて、
部屋ぎに着替えて、カーテンを開けて、
陽の光を浴びました。

ダメな日は、自己嫌悪になることが多くて、
こういう日がなくなるといいなと思うけど、

祖母の優しさと、あの竹ザルのことを、
私はきっと、これからも何度も思い出すと思います。


あの日の竹ザルが気になって、
あとから自分でも似たようなものを探してみました。

私が見た中では、祖母が使っていたような
四角いタイプの竹ザルが使いやすそうでした。
おにぎりをそのまま置くだけでいいし、
しまうときも場所を取りにくいので、無理なく続けられそうです。

正直、こういう道具を増やすのは少し抵抗があったのですが、
水でさっと洗うだけでいいと知って、
「これなら大丈夫かも」と思えました。

頑張れる日のためというより、
こういう、動けない日のために置いておく道具なのかもしれません。

あのときの竹ザルについて、
実際に使ってみたものや、選び方をまとめました。
無理せず使えるものだけに絞っています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました